胸鎖乳突筋ほぐしは迷走神経へのアプローチ
2025年05月25日 9時43分
頭ほぐし専門店atamaオーナーブログをご覧いただきありがとうございます。
ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)専門家の江口です。
ヘッドマッサージにおいて見落とされがちですが、「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」は自律神経の働きを左右する重要なポイントです。
この筋肉の深部には、副交感神経の中枢を担う「迷走神経(vagus nerve)」が走行しています。
迷走神経は脳幹から出て、心臓・肺・胃腸などほとんどの内臓へと広がる唯一の脳神経であり、いわば“脳と内臓をつなぐ神経ネットワーク”です。
胸鎖乳突筋が緊張して硬くなると、迷走神経が圧迫を受けやすくなり、その結果、副交感神経の働きが鈍り、リラックスや回復のモードに切り替わりづらくなります。
これにより、睡眠障害・消化不良・不安感などの不調を感じる方も少なくありません。
胸鎖乳突筋を丁寧にほぐすことで、迷走神経の働きがスムーズになり、自律神経のバランスを整える手助けとなるのです。
迷走神経と脳腸相関とセロトニン
近年注目されている「脳腸相関(gut-brain axis)」の概念においても、胸鎖乳突筋ケアの重要性が浮かび上がります。迷走神経は、腸内環境と脳の情報を双方向に伝える通信回路のような役割を担っており、腸の動きに大きく関与しています。
注目すべきは「セロトニン」です。
脳内で生成されるセロトニンは、自律神経に働きかけ、腸内で生成されるセロトニンは、腸の蠕動運動に関与しています。
便秘などお腹の動きが悪い方、ストレスが多くイライラしたり、自律神経の調子に不安がある方にとってセロトニン活性(分泌)は重要です。
セロトニンが活性化するヘッドマッサージや腸セラピー、間接的アプローチとなる胸鎖乳突筋ほぐしはおすすめです。
また腸セラピーや胸鎖乳突筋をほぐすと、呼吸もしやすくなります。
呼吸しやすなると、血流よくなりますし、呼吸のリズム運動がまたセロ活にもつながります。
ヘッドセラピストの技術としての意義
単に首を揉みほぐすのではなく、胸鎖乳突筋を正しくとらえ、深層にある神経や血管を意識しながらの施術は、高度な知識と技術を要します。それでもなお、ここをケアする価値は十分にあります。
なぜなら、現代人に多い自律神経失調や慢性的な緊張、腸内不調は、「迷走神経の働きの低下」と密接に関係しているからです。
ヘッドマッサージは“頭をほぐすだけ”の技術ではありません。
胸鎖乳突筋へのアプローチは、全身の神経調整の起点として、ヘッドセラピストが提供できる「本質的な癒し」の一つなのです。
ヘッドマッサージに「胸鎖乳突筋ほぐし」を加えることをお勧めします!
<参考文献>
・『プロメテウス解剖学アトラス 頭部・神経編』(医学書院)
・『トリガーポイントマニュアル 第2版』D.G.トラベル & D.B.サイモンズ
・Mayer EA, Tillisch K. “The Brain-Gut Axis in IBS.” Gastroenterology. (2011)
・Breit S, Kupferberg A, Rogler G, Hasler G. “Vagus Nerve as Modulator of the Brain–Gut Axis in Psychiatric and Inflammatory Disorders.” Front Psychiatry. (2018)
・WHO認定 経穴一覧/ツボ「安眠」の活用に関する記述(経絡外特別穴)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、症状が重い場合は専門医の診断を受けることをおすすめします。
このブログの作成者
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家
頭ほぐし専門店atama代表
江口 征次
Head Life(ヘッドライフ)代表
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長
株式会社ヘッドクリック代表取締役
ヘッドスパ専門店atama代表
【商品】
・日本初、ヘッドマッサージ施術用枕の販売
・日本初、業務用ヘッドマッサージオイルの販売
【登録商標】
・頭ほぐし専門店atama 登録5576269
・頭ほぐし整体院 登録5977517
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